醸造:ブドウは手摘みで収穫し完全に除梗して、品種毎別々に野生酵母でホウロウタンクの
発酵を行う。ブドウ以外の醸造添加物は一切加えずに醸造。マセラシオンは約 10~12 日間。
初期段階は足によるピジャージュを行う。ルモンタージュは 1 日 1 回実施。その後、圧搾後、コ
ーとドニスをブレンドして、ステレスタンクと樽(新樽は用いない)に移して、ガメィはホウロウタン
クのまま、シュール・リーの状態で自発的なマロ発酵と熟成。瓶詰め前に全てをブレンドして、無
清澄・無濾過で瓶詰め。SO2 は醸造中は無添加。ボトリング後のワインのネガティブな反応を
避けるために、瓶詰め前に必要最小限添加。
2024 ヴィンテージはトゥ-レーヌのビオの造り手ヴァンサン・ルクレールからの買いブドウで醸造。
収穫日は、ガメィが 9/19~9/21、ピノー・ドニス 9/30、コーが 9/30~10/3。総生産量 3,290 本。
アルコール度数は 12 度。2025 年 6 月時点の SO2 トータルは 23mg/l。
~マリー・ロッシュ自身によるコメント~
『このキュヴェもシャンソンのタイトルにちなんで命名しました。LA TENDRESSE ラ・タンドレスと
いう曲は、もう亡くなってしまいましたが、1960 年代に活躍した Bourvil ブルヴィルが歌っていまし
た。その後も多くの歌手によってリメイクされました。私はこの曲が大好きです。LA TENDRESSE
ラ・タンドレスとはフランス語で「優しさ、愛情」という意味です。この曲の中では、「人間はお金や
名誉がなくても生きているが、優しさがないと生きてはいけない。」と歌われます。この曲は、LES
PASSANTES レ・パサントの曲と同じように、人間関係の重要性、他者との絆の重要性、人とし
て必要な他者への感情、つまり優しさを呼び起こしてくれるのです。』
ラ・タンドレス 2024 マリー・ロッシェ 【赤】品種:コー70%、ピノー・ドニス 15%、ガメィ 15% ラ・タンドレスとはフランス語で「優しさ、愛情」
2014 ヴィンテージを最後に⾧い歴史に幕を下ろしたクロ・ロッシュ・ブランシュは、数多くのナチュラルワインの造り手に大きな影響を
与えてきました。また、クロ・ロッシュ・ブランシュの畑を引き継いで、ボワ・ルカ、ノエラ・モランタン、ローラン・サイヤール、ジュリアン・ピノーなどのドメーヌが次々と誕生していきました。そのクロ・ロッシュ・ブランシュの醸造所を借りて、2018 年にナチュラルワインのミクロネゴスを立ち上げた女性がいます。パリから移住してきたMarie Rocher マリー・ロシェです。1978 年にパリで生まれたマリーは、16 歳の時にヴァランスの三ッ星レストラン『ピック』に両親と食事に行ってワインを試飲し、そこでワインに魅了されました。高校卒業後は、父の友人であったマルセル・ラピエールでのブドウ収穫に参加します。美しい秋の空と太陽の下、フランスや世界中から集まった様々な人達と寝食を共に過ごした1 ヶ月は、マリーにとって今も忘れることができない幸せな思い出となっています。その後、マリーは5 年間、毎年マルセルでのブドウ収穫に参加しました。2 年目からは収穫の責任者も任されていました。その時から、ワインはマリーにとって料理と同じArt de Vivre アール・ド・ヴィーヴル(暮らしの芸術=人生をより良く暮らすためのライフスタイル)となったのです。このラピエールでの経験からマリーはナチュラルワインを味わうことが自然な習慣となり、90 年台後半から2000 年にかけてパリでナチュラルワインを提供する店が増えてきた時期に、La Regarade ラ・レガラード、Camdeborde カムドボルド、Thierry Breton ティエリー・ブルトン、 Le Baratin ル・バラタン、Le Verre Volé. ル・ヴェール・ヴォレといった店に頻繁に通うようになりました。大学で地理学と都市計画を学んだマリーは、その後、フランス国外内の同分野の会社で10 年近く働いていました。
2010 年も近くなった頃、マリーは自分の情熱のままに生きたいと考えるようになり、父と共に仕事をするようになりました。マリーの父ジャン・ポールは書籍の編集者で、マルセル・ラピエールと親交が深く、ジュール・ショーヴェのテイスティングの本などを出版していました。その関係で、マリーはフランス各地で行われるLes Vins du Coin やViniCircus やLaBeaujoloise といったナチュラルワインと本のサロンに参加するようになったのです。そこで数多くのナチュラウワインを味わって味覚を鍛えていきました。
また、並行して天然酵母によるパン作りも学びました。パン作り好きで知られるピエール・オヴェルノワは家族ぐるみの友人で、マリーがジュラのオヴェルノワの家の近くのブーランジェール(パン職人)の下に滞在していた時には、オヴェルノワと一緒にいくつかのパンを作ったそうです。
2015 年9 月からはロワールのレ・カプリアード、エルヴェ・ヴイルマード、ミカエル・ブージュで醸造を経験。翌年にはパリからロワールに移住して、アンボワーズのビオロジックワインの学校に入学。並行して、ブリュノ・アリオンのドメーヌで栽培と醸造を学びました。そして、2018年、クロ・ロッシュ・ブランシュの元醸造所を借りて、ミクロネゴスを立ち上げたのです。2020年7 月に隣村のPouillé プイエに醸造所を移しましたが、クロ・ロッシュ・ブランシュのディディ
エ・バルイエとカトリーヌ・ルッソルは今も醸造面でマリーの手助けをしてくれています。マリー・ロシェは、自分が美味しいと思うワインを造りたいと考えています。それは畑とブドウに由来する自然なアロマを備えた、味覚を心地良く刺激してくるワイン。そして、美食的なマティエールと柔らかさを備え、味覚の喜びと詩的な趣きが溢れるアール・ド・ラ・ターブル(食卓の芸術)なワインです。そのようなワインを造るためには、彼女自身がそのテロワールと畑仕事のクオリティを知っているビオやビオディナミで栽培された造り手のブドウを収穫して醸造する必要があります。マリーは以下のような哲学を大切にしながらナチュラルワイン造りをしています。
ブドウの質と野生酵母、醸造での入念な仕事に立脚し、可能な限りナチュラルに醸造を行う小規模な生産量のミクロネゴスであり続ける。
自然なアロマを備えた食材と、アール・ド・ラ・ターブル(食卓の芸術)の喜びに対する情熱を持った女性としての経験によるインスピレーションを大切にする。
自身が出版した、ジュール・ショーヴェや、人間と環境に敬意を払いながら仕事をしているアルティザン(職人)の知識やノウハウを扱った本の内容と調和が取れたワインを醸造する。
ワインと詩情(ポエジー)を結び付ける。文筆や出版の仕事によってワインを育む時間とともに、ワインに詩情を与えること。
現在、マリー・ロシェのワインは、スウェーデン、ベルギー、アメリカ、韓国などに輸出されています。イタリアやオーストリア、カナダにも輸出される見通しです。マリーの母はテレビ朝日のパリ支局でジャーナリストとして働いていたそうです。このため、マリーも日本文化に強い関心をもっています。今回、日本へワインを輸出ができるようになったことをマリーはとても喜んでいます。VIVIT

